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2019年5月21日(火)

丸山暴言問題 これはもう維新の体質

 北方四島の返還に関し、「戦争しないと」などと元島民に詰め寄り、市民と野党から辞職を求められている丸山穂高衆院議員(日本維新の会から除名処分)が居座りを決め込む態度をみせています。同党の松井一郎代表(大阪市長)は「今回の丸山議員の問題については、個人の資質っていうのが大きな話だ」(16日)と語っています。しかし、維新の政治家の言動を振り返れば、まさに維新の体質が露呈したものと言わざるをえません。(藤原直)


加害正当化

 維新の創始者・橋下徹氏は大阪市長を務めていた2013年5月13日、国際的に性奴隷制と批判されてきた旧日本軍「慰安婦」問題にかかわって、「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」などと言い放ちました。まさに「人間の血が流れているのかと思うぐらい」(当時の日本共産党の市田忠義書記局長)の暴言に、世界中から厳しい批判の声が巻き起こりました。

 ところが当時、延々と言い訳やすり替えを続けた橋下氏を、維新の政治家たちは「現実に(慰安婦制度が)あったというのは、必要とされていた(からだ)」(松井氏)などと党ぐるみで擁護。同党全体で人権感覚が麻痺(まひ)していることをさらけだしました。

 維新は、日本の国政や外交を担うに値する勢力なのか、この一事をもってしても答えは明らかです。

差別を肯定

 松井氏自身も府知事だった16年10月、沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド建設現場周辺で、建設に反対する住民に「土人」「シナ人」と差別発言を行った大阪府警の機動隊員を「出張ご苦労様」などと擁護。市民から発言の撤回と謝罪、辞任を求められたことがあります。

 彼らが維新の衆院比例候補として公認をしてきた政治家たちの発言も異常です。

 のちに自民党議員となり、LGBT(性的少数者)を差別する論文を月刊誌に寄稿して大問題になった杉田水脈衆院議員を最初に国会に送り込んだのも維新です。杉田氏は維新の比例票で当選した1期目から「男女平等」は「反道徳の妄想だ」などと国会で異様な主張(14年10月31日、衆院本会議)を展開していました。

 維新の足立康史衆院議員の暴言・暴挙も枚挙にいとまがありません。とりわけ、17年11月に、ツイッターで「朝日新聞、死ね」と報道機関への脅しともとれる暴言を発信したのは深刻な問題でした。

 にもかかわらず、維新はまだ、自身のブログに「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!」などと題する文章を投稿した長谷川豊氏(元フジテレビアナウンサー)を参院全国比例区候補として国会に押し上げようとしています。

 維新に1票を投ずることでどんな政治家を誕生させることになるのか、個別の政策で維新に期待する有権者にも真剣に考えてもらう必要があります。

不正居直り

 地元大阪でも、維新議員は、不正・不祥事、居直りと居座りの多さで際立っています。

 17日にも大阪市議選で再選されたばかりの維新市議が買収の容疑で逮捕されました。

 堺市議会では、前の市議任期中、政務活動費の不正使用で辞職勧告決議を突き付けられたのに居座りを続けた2人の元維新市議や、同決議に反対した維新に市民の厳しい批判の声が広がり、リコール署名運動に発展。両議員が辞職に追い込まれた経過もあります。

 12年には、元日に飲酒運転でひき逃げ事件を引き起こした別の維新堺市議(事件後、維新を除籍)が有罪判決と2回の辞職勧告決議を受けたにもかかわらず同年6月まで居座ったこともありました。


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