2019年5月16日(木)
スルガ銀 不正融資7813件
金融庁 11年度に苦情把握
スルガ銀行(静岡県沼津市)は15日、審査書類の改ざんや偽造が発覚した投資用の不動産融資などについて調査結果を公表しました。これによると不正は少なくとも7813件にのぼるとしています。債権額ベースでは5537億円超です。顧客には一般のサラリーマンも多くいるとされ、被害の拡大を防げなかった金融庁の責任を問う声があがっています。
不正の手口は、シェアハウスなどの不動産融資を顧客に受けさせる際、通帳の改ざんで自己資金を多くみせるなどしたというもの。調査結果によると、同行の投資用不動産融資は合計3万7907件で、そのうち少なくとも約20%で不正がおこなわれていました。
シェアハウスで不正があった物件(886件)では、延滞率が4割近くにのぼっています。無理な融資で多くの被害者らが返済資金に困窮している様子がうかがわれます。
同行が婚活を装い金銭をだまし取るデート商法に加担し不正融資をしたとされる問題では、行員1人が詐欺的商法に関与する紹介者の案件であることを知りながら無担保ローンを実施したと認定。融資の際に源泉徴収票を改ざんしたことも認めました。
融資の際にカードローンや保険商品を販売するなど、銀行法で禁じられた抱き合わせ販売も1372物件であったとしています。
金融庁は、日本共産党の宮本徹衆院議員の国会質問に、2011年度から改ざんなどの苦情や相談が寄せられていたことを明らかにしています。早期に対応していれば、被害拡大が防げた可能性もあり、金融庁の責任が問われています。
一連の不正で処分された行員は75人に達しました。