2019年5月13日(月)
日中関係の展望討論
北京 国際シンポ開催
【北京=釘丸晶】複雑に変化する国際情勢下での日中関係、実務協力や未来展望について話し合う国際シンポジウムが12日、北京で開かれました。中国社会科学院が主催しました。
基調講演した中国の戴秉国(たい・へいこく)元国務委員は「永遠の友好はすべてに勝り重要」と強調。「中日関係が正常化し、改善に向かっている勢いを維持し、推進していくことが大切だ」と述べ、政治の相互信頼の増強、全面協力の発展、アジア文明の伝承と発揚などを訴えました。
中国社会科学院の謝伏瞻(しゃ・ふくせん)院長は大変動する国際情勢の下、「いかにチャンスを捉え、挑戦に向き合い、新型の国際関係と人類運命共同体の建設を進めていくかが、われわれが直面する重大な課題だ」と指摘。「中日は世界第2と世界第3の経済大国として世界経済の発展をリードする共同の任務がある」と語りました。
福田康夫元首相は難航する米中間の貿易交渉について「(中国は)被害者意識を持つ必要はない。社会を変え、経済の構造を変えるということは国民全体の利益を考えればメリットも大きい」と主張。一方、「(米側の)要求が過剰であれば、国際社会の意見を聞き、他国と一緒になって交渉することも必要だ」と述べました。