2019年5月9日(木)
法曹養成理念に背く
畑野議員 改定法案を批判
衆院委で可決
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衆院文部科学委員会は8日、大学の法学部と法科大学院を最短5年で修了する「法曹コース」の新設や、大学院在学中に司法試験受験を可能にする法科大学院等関連法改定案を、与党の賛成多数で可決しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党などは反対。共産党の畑野君枝議員は、改定案が法曹養成の基本理念に反し、司法試験合格を目的に学部・法科大学院教育のあり方をゆがめるものだと批判しました。
畑野氏は質疑で、改定案が可能にする在学中受験に合わせて、司法試験や司法修習の時期まで変更されることに言及。「法曹コース」と在学中受験によって資格取得までの期間が短縮されるが、在学中受験をしない場合はどうなるかと質問しました。法務省の小出邦夫司法法制部長は「今より期間が長くなる」と認めました。
「法曹コース」での学部の教育内容について、柴山昌彦文科相は「法科大学院で学習する内容も履修できるよう配慮する」と答弁。畑野氏は「大学院の教育を法学部へもってくるということだ」とし、幅広い法学的素養を学ぶ学部教育の独自の意義と機能に悪影響を及ぼすと指摘しました。
畑野氏は、15年前にスタートした法科大学院が、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた法曹養成制度の「中核的教育機関」と位置づけられた原点に立ち返り、国民的議論をやり直すべきだと求めました。