2019年5月8日(水)
認可外お墨付き批判
参院委 保育「無償化」で参考人
田村議員が質問
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参院内閣委員会は7日、幼児教育と保育の一部を無償化する「子ども・子育て支援法」改定案の参考人質疑を行いました。
保育士の配置数など国の指導監督基準を満たさない認可外施設や、無資格者が担う託児事業も「無償化」のための財政支援の対象となっていることについて、「保育の重大事故をなくすネットワーク」の藤井真希共同代表は、「子どもの安全を脅かす」と批判。独自の分析を元に「認可外施設での死亡事故の発生率は25倍以上だ。基準違反をしている施設での事故が多い」と指摘しました。
また、生後5カ月の娘を、大阪府八尾市のファミリー・サポート(ファミサポ)事業利用中の事故で亡くした経験を語り、保育士資格のない人が担うファミサポやベビーシッターなどの託児事業について「基準さえない施設や事業は『保育』として適切ではない」と強調。「保育内容の差をそのままにして全てを無償化の対象とすれば、国が『どれも同様に安全だ』とお墨付きを与えることになる。本来は認可保育所が十分に整備されるべきだ」と述べました。
「みらい子育て全国ネットワーク」の天野妙代表は「待機児童が多数いるなか、現状の無償化が少子化対策として有効なのか大きな疑問だ」と述べました。
日本共産党の田村智子議員は、「認可外施設への5年間の経過措置がどういう意味をもつか」と質問。藤井氏は「それだけの間、子どもの命を危険な状況にさらすことになる。保育事故の遺族の立場からは受け入れられない」と答えました。
東京大学大学院の秋田喜代美教育学研究科長は、保育士配置基準の意義を尋ねた田村氏に対し、「子どもの安全を守り、夢中で遊べる環境をつくるために手厚い基準が重要だ」と述べました。