2019年4月22日(月)
「中央アジアを教訓に」
非核化で韓国大統領演説
ウズベク議会
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は訪問先のウズベキスタンで19日、首都タシケントにある下院本会議場で、220人の上下両院議員らを前に演説し、中央アジア非核地帯の取り組みが朝鮮半島の非核化問題でも教訓になったと語りました。韓国大統領府が発表しました。(栗原千鶴)
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文氏は、「中央アジアの非核化の先例は、朝鮮半島の完全な非核化と平和定着を達成しようとする韓国政府にも教訓を与えている」と語りました。
ウズベキスタンをはじめとするカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの中央アジア5カ国は2006年9月、非核兵器地帯を創設することで合意しました。中央アジア非核地帯条約は、締約国による核兵器の開発・生産・使用などを禁止。米英仏中ロの核保有国5カ国は14年、締約国への核兵器の使用・威嚇を禁止する議定書に調印しました。
文氏は、「ウズベキスタンは1993年の国連総会で、中央アジア非核地帯の創設案を提示した。周辺国とのたゆまない対話と努力を行った結果、2009年に非核地帯条約が発効した」と強調。平昌冬季五輪に先がけた17年の国連総会で「五輪停戦決議案」を共同提出したことにも触れ、朝鮮半島の平和プロセスに対する支援への謝意を表しました。
ウズベキスタンに多数居住する朝鮮人の末裔(まつえい)にも言及。日本の植民地下で日本軍への抵抗や貧しさから逃れるためロシア沿海州やサハリンに移住し、1937年にはスターリンからスパイの嫌疑をかけられ強制移住させられた朝鮮人を、「ウズベキスタンの人々は、戦争という困難の中でも救いの手を差し伸べてくれた」と語り、両国の絆を持ち続けようと呼びかけました。
文氏は、演説に先立ち、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領と会談しました。ミルジヨエフ氏は、朝鮮半島情勢における韓国政府の努力を支持し、今後も積極的に協力すると明らかにしました。