2019年4月11日(木)
NHK専務理事に板野氏
官邸に太いパイプ
NHKは9日、元専務理事で、子会社のNHKエンタープライズ社長の板野裕璽(ゆうじ)氏を専務理事に復帰させる人事を発表しました。官邸に太いパイプを持ち、異例の返り咲きに「官邸の意向か」との声があがっています。
板野氏は、経済部長、内部監査室長などを歴任し、籾井勝人会長時代の2014年4月に理事から専務理事(放送総局長)に昇格。「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」など、安倍政権べったりの姿勢に批判があった籾井会長を支えてきました。15年の安全保障関連法案(戦争法)の審議が行われている際、安保関連の番組をボツにしたり、16年3月に、政権の意向を背景に「クローズアップ現代」の国谷裕子キャスターを降板させた張本人ともされます。
同日の経営委員会では、石原進経営委員長(JR九州相談役)を含む10人が人事案に賛成しましたが、小林いずみ(ANAホールディングス社外取締役)、佐藤久美子(追手門学院大学教授)の2氏が、板野氏の復帰に厳しい意見をのべ、棄権したといいます。
ほかに荒木裕志理事が専務理事に、正籬聡広報局長が理事に昇格(任命は25日付)。坂本忠宣専務理事、菅康弘理事は24日付で退任します。