2019年4月5日(金)
チームJCP 光る国会論戦
高すぎる学費
首相誇る「成果」は まやかし
実態告発 値下げを迫る
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日本共産党国会議員団は、奨学金の返済に苦しむ若者や、生活苦でアルバイトに追われる大学生の窮状を告発し、不十分な奨学金制度の抜本改正を求め、高すぎる学費の値下げに踏み出すべきだと訴えてきました。
多数の自己破産
「奨学金の返済が若い世代の負担になっている認識はあるか」―。吉良よし子参院議員は、学生の2人に1人が貸与型奨学金を借りないと大学に通えない実態を紹介。返済を滞納した場合、非常に厳しい取り立てが待ち受けていると指摘しました(3月6日、参院予算委員会)。
安倍晋三首相は、貸与型奨学金について、返還期限猶予などの制度導入で「きめ細やかな措置を講じてきた」と弁明しました。しかし、猶予期間は10年で、それ以降は無収入でも返還を迫られるなど、抜本的な対策とは言えません。
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吉良氏は、2017年度の返済滞納によるブラックリストへの登録件数が2万5288件に上り、自己破産の件数は2447件に達すると明らかにし、「年金生活者になっても返済を続けなければならない。こんな血も涙もないことをやっていいのか」と批判。有利子奨学金の利子分の返還免除などの救済策が必要だと強調しました。
家庭からの仕送りも減るもとで、学生が奨学金を“借り控え”してアルバイトに従事し、学業に支障をきたす事態もまん延しています。日本学生支援機構の学生生活調査によると、アルバイトに従事する大学生が14年度73・2%、16年度は83・6%に急増。吉良氏は、同機構の調査で、識者がアルバイト急増の主要因を雇用状況の好転ではなく、貸与型奨学金離れで収入を必要とする学生の増加と分析したことに触れ、学費の値下げが必要だと強調しました。
安倍首相は「このことだけで生活が苦しい学生の増加とは言えない」と学生の現状を認めようとしません。
家庭に重い負担
畑野君枝衆院議員は、世帯所得が20年間で減少する一方、学費の値上げが続き、家計を圧迫していると明らかにし、政府の認識をただしました(3月14日の衆院本会議、同22日の衆院文部科学委員会)。
国立大学の学費は入学金、授業料合わせて年額約82万円、私学の平均は100万円以上です。畑野氏は、2015年の1世帯当たりの平均所得金額は545万4000円で、1994年から118万8000円も減少したと紹介。一方、同年の世帯所得に占める大学の授業料、入学金の割合は、国立大学で15%、私立大学では20・6%に達すると指摘し、「家庭に極めて重い負担になっている認識があるか」とただしました。
柴山昌彦文科相は「確かに重い負担となっている」と認めざるをえませんでした。
安倍首相は、アベノミクスの成果で就業者数が384万人増えたと自賛します。しかし、うち74万人が学生アルバイト就労です。両氏の追及で、高い学費負担、親の仕送りの減額、奨学金の借り控えというやむにやまれぬ生活苦の結果、無理してアルバイトを増やしている窮状が明らかに。まやかしの「成果」を強調する安倍政権に対し、両氏は現場の声をつきつけました。