2019年4月3日(水)
トルコ地方選 与党 最大都市でも敗北
地元紙、野党の協力を評価
開票作業終了
【チュニス=松本眞志】3月31日に統一地方選挙が実施されたトルコでは1日、開票作業が終了し、首都のアンカラ、第3の都市イズミルに続き、最大都市イスタンブールでも、野党・共和人民党(CHP)と優良党(IP)の「国民連合」の候補が与党候補を破って勝利しました。エルドアン大統領の強権政治や経済低迷に対し、大都市を中心に批判が高まっており、三大都市の市長選挙での与党敗北は政権への痛打となりました。
「国民連合」など野党勢力は、30の大都市行政区の市長選で、三大都市をはじめ、アンタルヤ、アダナ、メルシン、テキルダー、ハタイ、ムーラなど14市で勝利。ただ、全国的には、与党・公正発展党(AKP)と民族主義者行動党(MHP)の「人民連合」が得票率52%を得て、野党勢力の38%を上回りました。
地元のアハバル紙は「イスタンブールやアンカラで独自候補を立てなかった親クルドの国民民主主義党(HDP)の決断が、この結果に大きく影響した」と報道。「国民民主主義党や小政党がとった投票戦略は、票の流れを変えて野党に勝利をもたらした」と、エルドアン政権に対する野党の協力を評価しました。
国民民主主義党は、独自候補を立てた大都市行政区で3市長を獲得。県知事選でも5県で勝利しました。