2019年3月31日(日)
10%増税反対が圧倒
商店街で本紙がアンケート
年金上がらず 不況さらに バイト漬け 買い物は安く
消費税導入から4月1日で30年。安倍晋三自公政権は、家計消費、実質賃金もマイナスというなかでも税率を10%に上げるもくろみです。本紙は30日、東京都北区の“庶民の商店街”「十条銀座商店街」で、消費税10%増税の是非を問うシールアンケートを実施しました。結果は…。
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シールアンケートは、昼時を挟んだ約2時間にわたり、「消費税10%に増税どう思う?」のボードの「賛成」「反対」に赤いシールを貼る形で聞きました。10%増税に「反対」は102票。「賛成」は14票。圧倒的多数が「反対」でした。
「賛成の人なんているのかしら」と近づいてきた女性(82)=北区=。「年金は上がらないし生活が苦しくなるばかり。10%はきつい。老人会では、みんな『もう物は買わない』といっていた。不況になるよ。(増税分を)還元するなら『最初から上げるな』といいたい」
通りかかった男性は、「反対に決まってんだろ。ふざけんな」と安倍政権に怒りを込めてシールを貼りました。「やっぱり何もかも高く感じます」と、シールを貼る女性の姿もありました。
大学新1年生の男性(18)=北区=は「アルバイトが忙しい。これから1人暮らしの買い物があります。親からの援助がないので、できるだけ安くあげたい。消費税を上げないでほしい」といいます。
「消費増税は仕方ない」と、「賛成」にシールを貼った女性も「安倍政権の予算の無駄遣いは許せない。特に防衛費にあれほど使うのはだめです。もっと国民の生活や、福祉の向上にまわしてほしい」と語りました。
総菜屋の女性は即座に「反対です。商品の値段を上げないといけなくなるので」。洋品店の女性は「困りますね。レジの機械も替えないといけないし」と「反対」のシールを貼りました。
渦巻く怒り「10%ダメ」 都内商店街で聞く
「格差広がるだけ」■「消費税は必要」の人も反対投票
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消費税10%増税の賛否を問い本紙がシールアンケートをした東京都北区の「十条銀座商店街」。アーケード式商店街で食料品、日用雑貨、食事などの店が200軒以上並びます。焼き鳥50円、コロッケ30円―。“庶民の商店街”では、安倍消費税増税に怒りが渦巻いていました。
「絶対反対。10%なんて高すぎる」。通りかかった女性(53)=北区=は、怒りの声とともに「反対」の方にシールを貼りました。同じく消費税増税に反対だと話した女性(80)=北区=は、よく十条銀座に買い物に来ると語ります。「現在でも、物の値段が高く感じる。だからこうして、商店街で安いところを探して買い物している」と言いました。
「安倍首相は、私たち庶民のことなんて何も見ていない。増税で苦しむのは、私たち庶民だ」と話す女性(78)=北区=。「消費税のことだけじゃない。安倍政権は海外で戦争できる国にしようとしている。私には3人孫がいるが、戦争には絶対送りたくない」と、安倍政権を強く批判しました。
7歳の男の子と、2歳の女の子を連れた女性(39)=板橋区=も、シールを「反対」の方に貼りました。「一番は、税金が何に使われているかをもっとはっきりさせてほしい。どこに使われているかもわからないのに、増税は嫌だ」
白杖をついてサングラスをかけた男性(53)=調布市=は「障害1級です。消費税は福祉に使うといっていたが何に使われているか分からない。1円、1円、何に使われているのか共産党が明るみに出してほしい。障害年金も上げてほしい」と話します。
フリーランスの男性(46)=八王子市=は「生活が困りますね。安倍政権はとにかくうさんくさいです。貧しい人から広く税金をとるのは止めてほしい」。
夫婦で「反対」にシールを貼った、男性(81)=北区=は「景気が悪いね。今、若い人の給料が全然あがらねえ。どうやって食っていくのか。国は国民の足元を見てくれ」と憤ります。
「これ以上あがったら死んじゃう。生活の底辺の人をいじめるな」と「反対」の30代女性。「もう、上げちゃだめだ。格差が広がるだけだ」とは建築業の男性(41)=清瀬市=。「反対したってだめだよね」という女性2人組に「だめだといっていたらもともこもないじゃん。そこをどうにかしなくちゃ。まだ止められます」と議論になりました。
「消費税は必要だ」と言いながらも「反対」に投じた女性(78)=北区=。「今、生活が苦しい。景気が良いと一度も感じたことがない。金持ちばっかり優遇している。景気がいい時は上から。悪くなる時は下からだ」と話しました。