2019年3月28日(木)
自衛隊災害派遣 カードゲーム
子どもに配布 懸念の声
安倍首相が名誉会長の団体 作成
安倍晋三首相が名誉会長を務める一般社団法人「日本安全保障・危機管理学会」と一般財団法人「災害支援財団」が自衛隊の災害派遣を題材としたカードゲーム「自衛隊災害派遣カード」をつくり、自衛隊岡山地方協力本部(地本)が子どもたちに災害教育用教材として配布していたことがわかりました。安倍内閣による集団的自衛権行使容認のもとで米軍とともに海外で戦争するという自衛隊の本来任務を隠した手法に、批判と懸念の声があがっています。(井上拓大、小梶花恵)
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岡山
岡山地本は、カードゲームを現時点で約500セット配布したとしています。教育機関への提供や自衛隊の駐屯地祭りなどのイベントで無料提供すると説明しています。
カードゲームは、1セット40枚で構成されています。カードは、▽大型輸送艦「おおすみ」や戦車橋などの「車両・艦艇・航空機カード」▽豪雨や地震など災害を記載した「災害カード」▽女性キャラクターが描かれた「隊員カード」▽機動衛生ユニットなどの写真が使われた「装備品カード」の4種類。ゲームのルールは、低年齢層向けと中高生・おとな向けの複数が設定されており、主に若者をターゲットにしています。
日本安全保障・危機管理学会は、自衛隊元幹部らが役員の組織です。名誉会長の安倍首相以外にも、自民党の中谷元・元防衛相ら国会議員が多数、顧問に就いています。災害支援財団は自民党の衛藤征士郎元防衛庁長官が名誉会長で、海自元幹部が理事長です。
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岡山地本はカードを作成するにあたり、カードに描かれた装備などの内容をチェックしたとしています。地本は自衛隊員勧誘の窓口です。