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2019年3月28日(木)

19年度予算案に対する辰巳議員の反対討論(要旨)

 日本共産党の辰巳孝太郎議員が27日の参院本会議で行った2019年度予算案(同日成立)への反対討論の要旨は次の通りです。


 安倍政権のもとでの最大の民主主義破壊は辺野古新基地建設の強行です。県民投票の圧倒的民意を一顧だにせず、政府は土砂投入を続けていますが、深度70~90メートルの軟弱地盤の強度を示すN値を調査せず、総工費も示していません。設計変更には玉城デニー知事の承認が必要ですが、知事は承認しません。普天間基地閉鎖・無条件撤去を米国に求める本腰を入れた外交交渉を行うべきです。

 総理の妻が肩入れした森友学園には国有地が8億円も値引きされて売却され、総理の腹心の友には獣医学部の新設を52年ぶりに特例的に認める重大な国家の私物化が露呈。南スーダン自衛隊派兵の日報隠蔽(いんぺい)、怪文書と切り捨てながら存在していた加計学園をめぐる文書、廃棄したとうそをついた森友事件の応接録、会計検査院に求められた資料も出さず、「金額」を消すようにと報告書の記述への介入を試みました。統計不正の“キーマン”の国会招致も最後まで拒否。究極の国会軽視で、国会の行政監視機能を奪うものです。

 本予算最大の問題は国民に5・7兆円もの負担を押しつける消費税10%への大増税です。内閣府の景気動向指数は3カ月連続で悪化し、景気判断が下方修正され、政府の月例経済報告でも景気悪化の可能性を認めました。

 総理は就業者380万人増で「景気回復」を自慢しますが、増加した7割は高齢者で、年金だけでは暮らせないから、2割は学生アルバイトで、奨学金という名の借金に頼らざるを得ないからです。

 世論調査で8割超が「景気回復の実感なし」と答えているのは、実態がないからです。消費支出は増税前から25万円も減少。そんななかで昨年1月からの毎月勤労統計データをこっそり補正するなど、賃金の伸びを上振れさせました。野党の試算では共通事業所の前年同月比実質賃金はマイナスで、アベノミクス破綻は明白です。生活に壊滅的打撃を与える消費税10%は中止・撤回を強く求めます。

 深刻な貧困と格差を克服し経済を立て直すため、年金削減をやめ全国一律の最低賃金1000円を実現し、中小企業支援とセットで1500円への引き上げを目指すべきです。

 軍事費は5兆2570億円と5年連続で過去最高を更新。米国の有償軍事援助=FMSに基づく購入も7013億円と過去最高。護衛艦いずも改修はF35Bやオスプレイの運用を想定した事実上の「空母化」で、「海外で戦争できる国」にする危険な改憲策動を支えるものです。

 取得費や維持費などで6000億円を超えるとされるイージス・アショアも文字通り“浪費的爆買い”です。米国は米軍駐留経費総額の1・5倍の負担も日本に要求しています。

 原発再稼働を推進し、核燃料サイクル温存の予算も計上。経済産業省は原発を動かす電力会社への補助制度を創設し、その費用を電力料金に上乗せすべく検討するといいます。「原発ほど高くつくものはない」と認めたものです。東電や国に福島原発事故の責任を果たさせ、「原発ゼロ」こそ政治決断すべきです。


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