2019年3月25日(月)
なんだっけ
見送られた著作権法改正案って?
Q 著作権法改定案の今通常国会提出が見送られたって、どういうこと?
A インターネット上に違法に載せられた有償の著作物を違法と知りながらダウンロードすることを罰する対象範囲を、全著作物に広げようとしたのですが、幅広い懸念の声に押されて見送りました。
Q どうしてそんな改定をしようとしたの?
A 大量の漫画を違法にアップロードした「海賊版」サイトが問題になっていました。著作権者である漫画家や出版社らが“海賊版が大量に出回ると作者や出版社の収入が激減し、将来的に漫画文化そのものが衰退する”と訴え、海賊版サイトを利用しないよう呼び掛けていました。政府も対策に乗り出し著作権法改定へ動きました。映画・音楽については2012年の著作権法改正で違法化されています。今回の改定案では、写真やイラストなどの画像や、小説・論文にまで広げようとしていました。
Q 具体的にはどんなことが違法になるの?
A 例えばネット上の新聞の切り抜き画像の保存や、ツイッターなどでアニメの画像をそのまま使ったアイコンのスクリーンショット(画面保存)も対象です。一方、海賊版サイトを保存せず見るだけなら違法にはならない内容でした。
Q 見送ったのはなぜ?
A 研究者やネット利用者から「ネット利用を萎縮させる」「創作活動を阻害する」という批判・懸念が相次いだからです。最も被害を受けている権利者である日本漫画家協会からも強い反対が表明されたのが決定的だったといえます。
(2019・3・25)