2019年3月2日(土)
三・一独立運動の精神継ごう
韓国 記念集会各地で
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【ソウル=栗原千鶴】韓国の首都ソウルでは1日、1919年3月1日に独立宣言書が読み上げられたタプコル公園をはじめ、独立運動家らを収監した西大門刑務所歴史館などで三・一独立運動100年を記念する集会や行進が行われました。憲法前文にも書かれている三・一運動。市民は、民族自決、自由、平等など運動の精神を引き継いでいこうと声をあげました。
独立運動に参加し、獄中で死亡した柳寛順(ユ・グァンスン)の母校である梨花女子高校の生徒や卒業生は1日午前、ソウル市内で万歳行進を行い、市庁舎前広場の一角で、「梨花独立宣言書」を朗読しました。宣言は、南北のだれもが幸せになれる生活を確保することや、希望と可能性を尊重し自由と人権が保障され、人類の自由、平等、博愛を実践する国、国民をつくることなどをうたっています。
参加者の一人、クォン・ヒョンジンさんは「臨時政府の設立につながった独立運動は自主独立、主権在民という精神を呼び起こした」と語り、独立運動を高く評価する必要があると語りました。
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正午になると教会や寺の鐘が一斉に鳴り響きました。7大宗教団体が「正義で平和な国、南北が和解し、ともに繁栄する国の主人公」になることを願い、催したものです。
当時、独立宣言文が印刷されたとされる貞洞教会では、独立運動を主導した牧師らのパネルを展示。小学2年生の子どもと見ていた女性(38)は、「(前政権を打倒した)ろうそく集会に参加して、声をあげれば社会が変わると思った。植民地という難しい時代に、独立や自由を叫んだ人たちは勇気がいったと思う。子どもにも正しいことは正しいといえるようになってほしい」と語りました。
午後2時からはソウル中心部の光化門広場で、市民団体や宗教界、労組など約1000団体が参加する実行委員会の主催で「3・1運動100年汎国民大会」が開かれ、宣言書の朗読や、歌や踊りが披露されました。