しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年2月25日(月)

ベネズエラ 支援物資搬入で衝突

マドゥロ政権 コロンビアと断交

 南米ベネズエラでは23日、「暫定大統領」就任を宣言した野党のグアイド国会議長の要請に応えて隣国コロンビアの国境付近などに集められていた人道支援物資の搬入が強行されました。米国などからの一方的な「人道支援」を干渉だとして拒否するマドゥロ政権側が搬入を認めず、これに抗議する市民らを強制的に排除し、各地で多くの死傷者が生まれる事態となりました。(菅原啓)


 現地からの報道によると、マドゥロ政権は22日夜、ベネズエラとコロンビアを結ぶ国境の橋をすべて封鎖。支援物資の集積地となっていたコロンビアの町ククタでは、23日午前に、グアイド議長らが参加する物資搬送の出発式が行われ、同氏を「暫定大統領」と承認したコロンビアのドゥケ大統領らが出席しました。

 物資を積んだトラック約10台がベネズエラに向かいましたが、パウラサンタンデール橋を通過した2台は治安部隊とデモ隊の衝突に巻き込まれ炎上、コロンビア政府の判断で帰還。トラックの大部分は国境の橋を渡ることすらできませんでした。

 ロイター通信によると、政権側の治安部隊は、物資搬入を求める抗議行動にたいし基本的に催涙弾やゴム弾で応酬。ベネズエラ南部のブラジル国境に近いサンタエレナデウアイレンでは、抗議行動参加者2人が病院に搬送され、死亡しました。

 人権団体によると、23日の治安部隊との衝突の中で発生した、銃撃による負傷者、死者はそれぞれ29人、2人。コロンビア当局は、国境付近の衝突でベネズエラ人、コロンビア人合わせて285人が負傷したと発表しています。

 ドゥケ大統領は「残念ながら、(マドゥロ)独裁政権側からの暴力行為が発生した。こんな暴力の継続を許してはならない」と表明しました。

 ベネズエラのマドゥロ大統領は同日、コロンビアとの外交関係の断絶を発表。コロンビアの外交官にたいして24時間以内の国外退去を命じました。


pageup