2019年2月20日(水)
米非常事態宣言は違憲
16州が共同提訴
「強権」とカリフォルニア
【ワシントン=池田晋】西部カリフォルニア州など米国の16州が18日、メキシコ国境への壁を連邦議会の承認なく建設するためにトランプ大統領が出した国家非常事態宣言は「憲法違反」だとして、権限行使の差し止めを求めてサンフランシスコの連邦地裁に共同で提訴しました。目玉公約実現のためのトランプ氏の強権手法は、多くの州政府を巻き込む法廷闘争に発展しました。
提訴に加わったのはニューヨーク、イリノイ、ミシガン、ニューメキシコ、メリーランド、ハワイなどの各州。連邦議会では野党の民主党も提訴を検討しており、米メディアによると、南部テキサス州の地主や環境保護団体は15日にすでに政権を提訴。他の人権団体も提訴方針を表明しています。
16州の連合体の筆頭を務めるカリフォルニア州のベセラ司法長官は同日の声明で、「今日『大統領の日』に、トランプ大統領の権力乱用を阻止するため提訴した」「議会が州民のために法にもとづいて確保しておいた税金を、大統領が一方的に強奪するのを止めるためだ」と述べました。
訴状は、憲法が連邦議会だけに財政支出上の決定権を認めているとして、トランプ氏の行為は権力の分立原則に反していると主張。政府の統計上も違法入国数は少ないことなどをあげ、トランプ氏が「つくり上げた不法移民の『危機』を口実に使っている」とも指摘しています。