2019年2月13日(水)
米デンバー 教員 低賃金改善へスト
保護者・生徒もデモ参加
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【ワシントン=遠藤誠二】米西部コロラド州の州都デンバーの公立学校の教員らで構成するデンバー教員組合(DCTA)は11日、賃金体系の改善などを求めストライキを開始しました。数千人の教員が参加し、早朝から各学校で抗議行動を実施。多くの保護者・生徒も賛同し、デモに参加しました。同日午後には、州議会議事堂前で教員と支持者らによる集会が実施されました。
教員側は、低すぎる賃金体系の改善のため2300万ドル(約25億円)の予算をあて、次年度では教職員平均で11%の賃上げなどを要求しています。DCTAと、デンバーの教育当局(DPS)は15カ月間、交渉を続けてきましたが妥結に至りませんでした。
DCTAは、1月19日と22日に組合員による投票を実施。93%の賛成で「スト実行」が決定しました。8、9両日もDCTAとDPSの最終交渉が行われましたが、不首尾に終わりました。スト決行と並行し12日にも交渉がもたれる見通しで、DCTAのロブ・グールド交渉責任者は「すべての問題において、早期の妥結を望む」と語っています。
デンバーはロッキー山脈東部に位置し、コロラド州最大の都市。同市の教職員は5600人(うちDCTAメンバーは約3分の2)。公立校の生徒は7万1000人です。コロラド州では昨年4月に、州全体で教員によるストが実施され、デンバー以外でも教員の低賃金が問題になっています。
全米第2の都市ロサンゼルスでは先月、6授業日にわたりストが実施され、教員側の要求がほぼ通る形で妥結しました。カリフォルニア州オークランドでも、今月末にストが実施される予定です。