2019年2月10日(日)
特定記者排除の文書 官房長官提出認める
圧力は官邸ぐるみ
首相補佐官は社に「抗議文」
菅義偉官房長官の記者会見で東京新聞の望月衣塑子記者の質問を事実上封じるような申し入れを上村秀紀総理大臣官邸報道室長名で内閣記者会におこなっていた問題について菅氏は8日の会見で、「記者会見の主催者は内閣記者会だ。正確な事実にもとづく質問を心がけていただけるよう協力を依頼していた」とのべ、憲法に保障された国民の「知る権利」を侵害する文書を記者クラブに出していたことを認めました。
また菅氏は望月記者が同日「質問者への圧力、萎縮につながるような申し入れを記者会に提示していくのか」と会見でただしたのに、「質問妨害なんてやっていない」と居直りました。
望月記者は7日、西村康稔官房副長官の会見で、「長谷川栄一広報官からもわが社に来ているが、(内閣記者会への)この文書は私や社への精神的圧力」と指摘しました。長谷川氏は中小企業庁長官を務めた元経産官僚。第2次安倍内閣発足以来の首相補佐官(政策企画担当)で内閣広報官を兼務しています。安倍首相官邸は総がかりで、記者クラブだけでなく東京新聞社にも「抗議文」(7日会見で同記者)を出し、言論弾圧をしていることが明らかになりました。
報道室長名の内閣記者会への文書でも「当該記者については、東京新聞側に対し、これまでも累次にわたり、事実に基づかない質問は厳に慎んでいただくようお願いしてき」たと書かれています。
権力の中枢にある官邸が会見における記者の質問を敵視して質問を封じ込め、記者を排除するような文書を、新聞社や記者クラブに出していたことは極めて異常な事態です。