2018年12月24日(月)
自由な美の創造へ 日本美術会
憲法・表現テーマにシンポ
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日本美術会は、美術家の共同と自立の方向性を探ろうと22日、東京都内でシンポジウム「憲法+21世紀の美術運動=多彩で自由な美の創造へ」を開き、約80人が参加しました。
府中市美術館学芸員の武居利史さんが「憲法と表現の自由―美術館から見える現代の課題」と題して講演し、2年前に自身の企画した展覧会が政治的「中立性」を理由に規制されかけたことは「『中立性』の名による多様性の排除であり、権力の側からの芸術観の押しつけだった」と振り返りました。その事実がネット上で話題になると市民の反響や支援が広がったと紹介しました。
続いて5人の作家が「自立する美術家たち」と題して報告。同会主催の日本アンデパンダン展で、長年、インスタレーション(空間表現)企画の中心を担ってきた木村勝明さんは、これまでの経緯と今後の課題について発言。「30年続いてきて市民権を得たと思う。新しい作家が生まれてくれれば」と次世代への期待をのべました。
韓国の作家との交流と民衆美術の動向、2月から始まる創作版画展の展望と表現の可能性、戦後の北関東における版画運動の歴史、若者が求める表現活動と環境づくりについてそれぞれ報告され、意見交換がおこなわれました。