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2018年12月19日(水)

新「防衛大綱」・中期防 F35 国内組み立て 取りやめへ

武器輸出路線が破綻

 政府は18日に決定された新しい中期防衛力整備計画に基づいて105機を追加調達する方針を決めたF35ステルス戦闘機について、2019年度以降の調達に関し、三菱重工業での組み立て作業を通す方式を取りやめ、有償軍事援助(FMS)により米国から直接、完成品を購入する方針を決めました。

 安倍政権は14年4月、武器輸出を拡大するため、武器輸出三原則を撤廃して「防衛装備移転三原則」を決定。日本で組み立てたF35の輸出を可能にしました。

 しかし、国内の組み立ては技術者の習熟度の低さや部品調達の困難などでコストがかさみ、財務省から見直しを求められていました。防衛省関係者によると完成品の購入で、1機あたり約30億円安くなるといいます。安倍政権が狙った武器輸出路線が破綻に直面していることを示しています。

中国「脅威」前面に打ち出し

27兆円規模 大軍拡を正当化

 18日に閣議決定された新たな防衛計画の大綱は、中国に関する記述を大幅に増やしました。事実上、中国「脅威」を前面に打ち出すことで、F35ステルス戦闘機の大量購入をはじめとした27兆円規模の大軍拡を正当化しています。

 大綱は中国の海洋進出については、尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海に加え、「太平洋への進出は近年高い頻度で行われ、その経路や部隊構成が多様化している」と警戒しています。

 これと符合する形で、短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bについて、「広大な空域を有する一方で飛行場が少ない我が国太平洋を始め、空における対処能力を強化する」と説明。さらに、「いずも」型護衛艦を念頭に、「必要な場合には現有の艦艇からの…運用を可能とする」としています。

 日本が「空母」を保有し、中国が狙っている西太平洋進出を米国と一体になって阻止するとのメッセージと受け止められるものです。中国外務省の華春瑩・副報道局長は同日の記者会見で「強烈な不満と反対」を表明しました。


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