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2018年12月14日(金)

安倍政治 命を削って 軍拡に熱中

中期防 最大の27兆4700億円 後期医療保険料 軽減廃止

 政府は、新たな中期防衛力整備計画(中期防、2019~23年度)の予算総額を過去最高の27兆円台とする方針を決めた一方で、来年10月からは消費税率の10%への引き上げや後期高齢者医療保険料の軽減措置の廃止を予定するなど、軍事費増と国民負担増、社会保障削減を狙っています。


 新たな中期防の予算総額は「27兆4700億円程度」とする方針で、過去最高だった01~05年度の25兆1600億円程度を2兆3000億円あまりも上回ります。複数の関係者が13日、明らかにしました。

 新中期防には海上自衛隊最大の「いずも」型護衛艦の事実上の航空母艦への改修や、短距離離陸・垂直着陸能力を持つ米最新鋭ステルス戦闘機F35Bの導入、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の整備などが盛り込まれます。

 財務相の諮問機関である財政制度等審議会は防衛装備品の調達について、今後5年間で1兆円以上の合理化目標を定めるよう求めており、新中期防には2兆円規模の縮減目標を書き込みます。

 F35戦闘機やイージス・アショアの調達は、米政府から防衛装備品を購入する有償軍事援助(FMS)で行われるため、FMS関連予算は大幅に増加します。

 厚生労働省は13日、75歳以上の後期高齢者が支払う医療保険料を最大9割軽減する低所得者向けの特例措置について、来年10月から廃止し、低所得者の保険料を大幅に引き上げる方針を取りまとめました。安倍政権は来年、年金額を実質削減する「マクロ経済スライド」の発動も狙っています。消費税増税とともに医療保険料の軽減特例の廃止を許せば、高齢者の生活と健康の悪化は一層深刻になるのは必至です。

 特例廃止の対象は、年金収入が年168万円以下の約740万人。現在の保険料は、年金収入が年80万円以下の人は平均月380円、年80万円超168万円以下の人は平均月570円です。特例廃止で、いずれも月1140円に跳ね上がることになります。

 厚生労働省は特例廃止の理由を、消費税増税の際に低所得者には年金生活者支援給付金が支給され、特例廃止の影響が小さいためだとしています。

 同給付金は、年金額の少ない高齢者を対象に、保険料納付期間に応じ最大月5千円を上乗せする制度。しかし、特例廃止の対象者全員が給付対象ではなく、給付金は保険料納付期間10年の人で月1250円程度など、消費税増税で吹き飛んでしまう低水準です。


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