2018年12月13日(木)
韓国と北朝鮮 監視所撤去を相互検証
休戦協定以降 初めて
軍事境界線で握手
【ソウル=栗原千鶴】韓国と北朝鮮は12日、9月に結んだ「軍事分野合意書」に基づき行われた非武装地帯(DMZ)内の監視所撤去について、状況を見極めるため共同で検証を行いました。南北が非武装地帯内に設置されている相手側の監視所に足を踏み入れるのは、朝鮮戦争(1950~53年)の休戦協定以降、初めてのことです。
南北は先月末までに、各11カ所の監視所を撤去しており、今回の検証では、▽火器や装備、戦力の撤収の状況▽監視所の地上施設や地下通路などが完全に解体されているか―などを確認しました。
12日午前、韓国側の検証班が北朝鮮入り。軍事境界線で北朝鮮側の検証班と落ち合い、握手を交わしたあと現場に向かう映像が公開されました。午後には北朝鮮側の検証班が韓国側の監視所を訪れ、ともに調査しました。
韓国国防省によると、南北それぞれ7人ずつ11組の検証班を編成。韓国側からは、地下施設の状況を探知できる地中レーダーなどの装備も投入しました。
破壊した11カ所の監視所のうち、1カ所ずつは火力装備などを撤去し、建物のみ保存。また検証作業のため歩いて移動するための道もつくりました。
同省は「南北の現役軍人が非武装地帯に道を作り、軍事境界線を平和に移動することは分断後初めてで、南北軍事当局による合意履行の意思を明確に示す意味のある措置だ」と強調。「朝鮮半島の軍事的緊張緩和や信頼構築のための里程標となる」と説明しました。