2018年12月12日(水)
自衛艦の右舵が原因
おおすみ訴訟で原告側主張
広島地裁
瀬戸内海の広島沖で2014年1月15日に、海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」(基準排水量8000トン)が釣り船「とびうお」(5トン未満)に衝突し沈没させ、船長ら3人を死傷させた真相究明と損害賠償を求める訴訟の第13回口頭弁論が11日、広島地裁(谷村武則裁判長)で開かれました。
原告側は、被告(国・自衛隊)の「海上衝突予防法、法的義務に違反しておらず、艦長らには過失も認められない」との主張に、弁論などで反論しました。
原告代理人の田川俊一弁護士は、海上保安大学校の教授らによる鑑定書が指摘する、おおすみの衝突時の右舵(かじ)による艦尾の左舷方向へのキック(振り出し)がとびうおの転覆の原因との判断を引用。これは原告側の当初からの主張を鑑定書が裏付けたものです。
そのうえで、田川弁護士は、左舷艦首至近距離のとびうおとの衝突を避けるためには「通常、『取(左)舵いっぱい』による艦尾が右に振れる(キック)動作をとるべきところ、全く逆の艦尾が左に振れる危険を積極的に作り出した」と、おおすみの過失を改めて指摘しました。
被告が「とびうおの直前の右転が衝突原因」と主張している点についても、原告側は「2船間の相互作用」について主張、右転説を否定しました。
次回期日は、来年2月26日午前11時から。