2018年12月9日(日)
辺野古埋め立てに赤土
元土木技術者「条例に違反」
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沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設工事で、埋め立て用の土砂として大量の赤土が搬出されていることが、専門家らの指摘などから8日までに分かりました。同市安和(あわ)の琉球セメント桟橋から4隻の運搬船で搬出されたもので、少量の砕石とともに確認されています。辺野古の海に投入された場合、自然環境への深刻な影響が懸念されます。
防衛省側は6日の参院外交防衛委員会で、伊波洋一議員(会派・沖縄の風)から埋め立て用の土砂について問われ「鉱石の採掘等で掘り出される岩石(=岩ズリ)」と答え、石材だと主張しています。
搬出作業を確認した1級土木施工管理技士の奥間政則氏は「赤土は海水に溶けてヘドロ状になる。国が説明する岩ズリとは性質が違う」と述べました。
元土木技術者の北上田毅氏も「国は『石材』と主張することによって赤土等流出防止条例の適用を逃れようとしているが、桟橋に雨ざらしの状態で赤土を置く行為は同条例に抵触する」と指摘。桟橋やベルトコンベヤーの使用に関しても「『石材の堆積』『石炭・石材の搬送』として県に届け出た内容に違反する」と批判しました。
4隻は7日午前、辺野古沿岸域に到着しましたが、少なくとも1隻の土砂は、赤土等流出防止条例に基づく事業行為届出が提出される前の“違法状態”で積み出されたものです。