2018年11月14日(水)
流出ビットコイン 全額換金か
本紙調査で判明
交換所 ザイフ
9月14日に仮想通貨交換業者テックビューロが運営する仮想通貨交換所「ザイフ」から流出したビットコイン42・5億円相当のほぼ全額が、11月12日までに換金された可能性があることが本紙の調べで判明しました。仮想通貨の円換算は、ザイフが流出を発表した際のレート(9月18日の終値)に基づきます(以下、同じ)。
ネット上のビットコインの送金記録によると、流出ビットコインのうち17・8億円は9月15日から21日までの間に数万にのぼる多数のアドレスに分散されました。そのうち、約10億円は、香港にある仮想通貨交換所バイナンスに送金されていることは、本紙9月27日付で既報の通りです。
残りのビットコインは、いくつかのアドレスに分散して保管されていましたが、そのうち5億円分が9月27日以降の数日間で多数のアドレスに送金されました。さらに、10月19日以降の数日間で7・1億円、10月27日以降にも7・1億円が送金され、最後に残った5・4億円も10月31日以降に送金・分散されてしまいました。
送金は、一度に数十件のアドレスに細分したり、短時間で多数回の転送を繰り返しながら分散したりする方法で、数万件ものアドレスに分かれ、他のビットコインなどと混ざるなどして、追跡が困難になっています。各アドレスの所有者は特定できませんが、事実上、流出ビットコインのほぼ全額が換金されてしまった可能性が高いと思われます。
なお、ビットコインと同時に流出した仮想通貨「ビットコインキャッシュ」21億円相当についても、そのうち12億円分が、10月26日から11月12日の間に多数のアドレスに分散しており、換金が始まっていると思われます。仮想通貨「モナコイン」6・7億円相当は、10月20日に四つのアドレスに分割されただけで、11月12日現在、それ以上の送金は行われていません。(仮想通貨取材班)