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2018年11月6日(火)

“町は港使用拒んだ”

防衛相発言に地元が異論

沖縄・本部

写真

(写真)大きく破損し、使える岸壁も他の業者が使っている=5日、沖縄県本部町の本部港塩川地区

 沖縄防衛局が沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設用土砂を搬出するために行った港の使用申請が同県本部(もとぶ)町に受け付けてもらえなかった問題で、岩屋毅防衛相の「申請の受け取りを拒まれた」「(町が)県から新たな申請を受けないように指導されている」(2日)との発言に、同町長など関係者から異論の声が上がっています。

 問題の港は、県所有で本部町が管理を移譲されている本部港塩川地区。台風24号でコンクリートがめくれあがるなど被災し、六つある岸壁のうち三つが使えず、県も町も新規の使用申請を物理的に受け入れられないとしています。防衛局は1日に町に申請を受理されなかった後、2日も再び町を訪れています。

 本部町の平良武康町長は、拒んだのではなく「港が破損している状況で申請しても使えないと言っている」と答えました。「(現状で港を)使うことで、もっと壊れたらどうする? 港湾法の下、港湾を管理するわれわれは港を保全する立場にある。だから復旧を待ってほしいのだ」と語りました。

 県が申請を受けないよう指導したとの発言に対し、平良町長は「港を見て使える状況じゃないと県と町で合議し、合意した。政治的な意味合い、“辺野古(新基地問題関係)だから”ということではない」と語りました。

 同町の伊野波盛二建設課長も「今後、国に災害復旧事業として港の復旧予算を求める上で、壊れた港を現状保全し、国の査定官の査定を受ける必要がある」と述べ、「そのために港を所有する県が町に港を使用しないでと言うのは至極当然。何か問題でもあるのか」と首をかしげます。

 「この件に関して、県も町も辺野古うんぬんの政治的意図などあるはずもない。あんな言い方をされて私たちも迷惑している」と憤ります。

 港の復旧の見通しについて県海岸防災課の永山正課長は「復旧事業に年内着手できれば早い方。年内復旧はまずあり得ない」としています。


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