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2018年11月5日(月)

アフリカ系への「投票抑圧」差し止めに

市民団体 州政府に訴訟で勝利

ジョージア州知事選

 【ワシントン=池田晋】6日の米中間選挙の期日前投票が進む中、少数派(マイノリティー)や社会的弱者の投票を制度上困難にする「投票抑圧」行為が各地で表面化しています。知事選が民主、共和両党の候補による大激戦になっている南部ジョージア州では、州政府の「抑圧」行為に対し、即時差し止めを州に命じる地裁判断を市民が勝ち取りました。


 同州の知事選は、サンダース上院議員らの公認を受け、革新的な政策を掲げる民主党のエイブラムス候補(元州下院議員)に対し、共和党のケンプ候補が州選挙管理の最高責任者である州務長官の職にとどまったまま立候補し、接戦を展開しています。

 エイブラムス氏は、伝統的に共和党が強い南部の保守地盤から、全米初となるアフリカ系女性知事を目指し奮戦しています。

 一方、ケンプ候補は、アフリカ系住民が大半を占めるとされる約5万人分の有権者登録の申請が、州の保有する個人情報と「正確に一致しない」として差し止め扱いにしました。これについて市民団体は先月、ケンプ氏が公職の立場を使い、エイブラムス氏の支持層を狙った「投票抑圧」を行ったとして訴訟を起こしました。

 アトランタ地裁は2日付で、こうした投票上の制約について「少数派で主に構成される集団になされた差別的扱いに関し、重大な懸念」を生じさせるものだと指摘。最近帰化した約3000人の米国人については、パスポート提示などの簡素な手続きで投票を認めるようただちに変更することを命じました。

 原告の一員「法の下の公民権法律家委員会」のクリステン・クラーク代表は、「私たちは完全にケンプ氏を打ち負かした」とツイッター上にコメントしました。

 同州にはトランプ大統領が4日に現地入りしてケンプ氏を応援する一方、エイブラムス氏側にはオバマ前大統領や著名司会者のオプラ・ウィンフリーさんらが次々に駆け付け、最終盤まで激戦が続いています。

 また、ジョージア州以外でも、▽中心部にあった投票所を交通の不便な郊外へ移す▽投票時に住所が記載された身分証明書の提示を求める―など少数派や社会的弱者の投票を困難にする問題が各地で報じられています。


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