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2018年11月1日(木)

緊縮転換予算案 今年も

国民支援で経済成長・債務削減図る

ポルトガル国会

 ポルトガル国会(一院制)は10月30日、中道左派のコスタ連立政権が提案した2019年度予算案について第一読会を開き、賛成多数で承認しました。昨年度に続き、年金支給額の引き上げや付加価値税の一部引き下げなど、前政権が進めた緊縮政策を転換し、国民の購買力強化で経済成長と債務削減を目指す内容となっています。(島田峰隆)


 予算案は今後、各委員会での審議に入り、11月29日に本会議で最終的な採決が予定されています。第一読会では、コスタ首相が率いる社会党と、閣外協力する共産党、左翼ブロックが賛成しました。中道右派野党の社会民主党は反対しました。

 現地からの報道によると、コスタ氏は「われわれは経済成長、雇用創出、国際的な信頼回復の道を歩んでいる。予算案はポルトガルに対する信頼を高めるだろう」と語りました。

 予算案は▽年金支給額を最低でも10ユーロ(約1280円)引き上げ▽義務教育の全期間について教科書を無償化▽大学授業料の上限設定▽電気料金の引き下げ▽観劇などの文化活動の料金にかかる付加価値税の軽減―などを盛り込んでいます。

 共産党のソーザ書記長は「予算案には共産党と労働者のたたかいが反映している」と強調。利益を上げている企業への課税強化や付加価値税の減税対象の拡大などを提案する構えです。左翼ブロックのマルティンス党首も、年金制度の一層の充実に向けた提案などを行う意向を表明しました。

 15年に発足したコスタ連立政権は、毎年の予算で、社会民主党の前政権が欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)から金融支援を受ける代わりに実施した緊縮政策を転換してきました。

 最低賃金引き上げや労働時間短縮など国民生活支援の政策を進めた結果、経済成長に転じ、ロイター通信によると昨年の経済成長率は2000年以降で最も大きい2・8%を記録。今年9月の失業率は02年以降で最低の6・6%となっています。


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