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2018年10月31日(水)

辺野古 国交相が不当決定

埋め立て承認撤回 執行停止

近く工事再開

 石井啓一国土交通相は30日、名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、沖縄県による埋め立て承認撤回の執行を一時的に停止することを決めました。防衛省沖縄防衛局の申し立てを認めたもの。防衛省は執行停止の効力が発生する31日以降に工事再開に着手する方針。9月30日の沖縄県知事選や続く豊見城・那覇両市長選で示された「辺野古新基地ノー」の圧倒的な民意を踏みにじる暴挙です。

 国交相の決定を受けて、岩屋毅防衛相は同日の会見で、「現地の気象状況を踏まえ、工事の再開に向けた準備が整い次第、速やかに再開したい」と表明しました。一方、県は総務省の「国地方係争処理委員会」に不服申し立てを行うなど、あらゆる手段で対抗する方針。辺野古の工事現場でも、市民らによる抗議行動が再開されます。

 沖縄県は辺野古埋め立て区域の軟弱地盤の存在や、埋め立て承認の留意事項にあげた県との協議を行わないまま工事が強行されてきたことなどを挙げ、8月31日に埋め立て承認を撤回。これに対して沖縄防衛局は今月17日、工事再開を狙って行政不服審査法に基づく不服審査請求と執行停止申し立てを行いました。

 県は25日に提出した意見書で、行審法は行政機関から権利を侵害された「私人」を救済する制度であり、「国」として申し立てをすることは「不適法」だとして却下を求めていました。

 しかし国交相はわずか5日後の30日に執行停止を決定。同日付の通知書では、判断の理由として、(1)普天間基地の危険性除去が困難になる(2)日米同盟にも悪影響を及ぼしかねない―など「国」としての判断基準を示しながら、「一般私人と同様に審査請求をなしうる」と一方的に結論づけています。


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