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2018年10月30日(火)

米、中間選挙まで1週間

憎悪犯罪が影響も

 【ワシントン=遠藤誠二】米中間選挙(11月6日)まであと1週間となりました。上院では共和党が過半数を維持し下院では民主党が過半数を奪還する勢いです。選挙戦最後に、先週に起きたユダヤ教礼拝所への襲撃、民主党幹部宅などへの爆発物郵送等、ヘイトクライム(憎悪犯罪)が結果に影響を与えそうです。

 「これは最悪の反ユダヤ主義だ」。トランプ大統領は27日、米北東部ペンシルベニア州ピッツバーグで起きたユダヤ教礼拝所襲撃について言及。同事件では11人が犠牲となり、大統領は「団結して憎悪を克服しなければいけない」と訴えました。しかし、米国内では、トランプ氏自身の、人種マイノリティーを攻撃し憎悪をあおる手法が、ヘイトクライムを増長させているとの意見が噴出しています。

 ワシントン・ポスト紙28日付は1面掲載の記事で、トランプ大統領と共和党は中間選挙に向けて、中米から大量の移民が米国に入国しようとしていることを利用して社会不安をかきたててきたものの、「右翼過激主義の台頭を増長させることを許し、批判の矢面にたっている」と指摘しました。

 全米黒人地位向上協会(NAACP)は、「反ユダヤ主義、人種差別、外国人嫌い、憎悪はわれわれの民主主義にとって恐ろしい汚点だ。これらの汚点が、選ばれた政治家や、恐怖と大衆の低俗な指向を餌食にする扇動家によって利用されたら、われわれすべてが苦しむことになる」との声明を発表し、名指しこそしないものの、トランプ大統領を批判しました。

 米国のユダヤ系組織「Jストリート」も声明で、「人種差別と偏狭にまみれた過激なレトリックを終わらせよう」と呼び掛けると同時に、「責任ある指導力を訴える」と政権に注文しました。

 ユダヤ系有権者協会が16日に発表した世論調査では、ユダヤ系有権者の75%がトランプ政権を評価しないと答え、70%が政権の反ユダヤ主義に対する取り組みを評価しないと回答するなど、今回、攻撃の対象となったユダヤ系社会が、現政権に批判的であることが明らかになっています。


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