2018年10月20日(土)
ローマ法王 訪朝に前向き
韓国大統領が招請伝達
欧州を訪問中の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日、バチカン(ローマ法王庁)でフランシスコ・ローマ法王と会談しました。韓国大統領府によると、文氏は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の訪朝招請を法王に伝達。法王は「(公式な)招待状が来れば行くことができる」と、要請に応じる姿勢を示しました。
金氏は、9月の南北首脳会談の際、文氏に対し、「法王が平壌を訪問すれば、熱烈に歓迎する」との意志を明らかにしていました。文氏は法王に、「招待状を送ってもいいか」と質問。法王は「文氏の伝達だけでも十分だが、公式な招待状があってもいい」と応じました。
また文氏は、金委員長が「この間、法王が平昌五輪と首脳会談のたびに、南北の平和のために祈願してくださったことに感謝するとあいさつした」と伝えました。
法王は、文氏に「朝鮮半島の平和プロセスを推進している韓国政府の努力を強く支持する。止まらずに前に進みなさい。恐れるな」と語りました。
法王の訪朝は、2000年に、韓国政府を通じて招請したことがありましたが、実現しませんでした。今回、平壌訪問が実現すれば、法王としては初めてのことになります。
バチカンは同日、声明を発表。両国は、「南北朝鮮の平和と発展の新時代を切り開くため、朝鮮半島に今もある緊張を乗り越えるために役立つイニシアチブを強めること」を確認しました。
(栗原千鶴)