2018年8月25日(土)
「沖縄の負担軽減」は口実
北海道での日米共同演習 目的は相互運用、良好な基盤活用
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昨年8月、普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機MV22オスプレイが参加して北海道で行われた日米共同訓練「ノーザンヴァイパー」(NV)に関する防衛省の内部資料で、訓練目的として自衛隊と米軍との「相互運用性の向上」などをあげる一方、「沖縄の負担軽減」にかかわる記述がないことがわかりました。自衛隊と米軍は沖縄の「負担軽減」を口実に共同訓練拡大を進めてきましたが、その本当の狙いが浮き彫りになった形です。
日本共産党の紙智子参院議員と畠山和也前衆院議員(参院北海道選挙区予定候補)が入手した文書は、陸上幕僚監部などが作成した共同訓練に関する7種類。訓練内容などの大半は黒塗りされていましたが、訓練目的は全て開示されました。
昨年のNVに関する資料のうち、陸幕の運用支援・訓練部が昨年10月に作成した「成果報告」では、訓練目的として「北海道の良好な訓練基盤を活用して」「相互運用性の向上を図るとともに、即応機動する陸上自衛隊の構築に資する」と記述。訓練の特色として▽道内訓練にオスプレイ4機が初参加▽国内で初めて米海兵隊が「高機動ロケットシステム」の射撃を実施をあげました。
また、「検討・処置を要する事項」として「オスプレイ運用に対する地元自治体関係者等の理解獲得の必要性」をあげ、「早期からの丁寧な地元への説明」や「オスプレイ体験搭乗の実施」としています。
防衛省は23日、オスプレイ6機などが参加するNVを9月10~29日に行うと発表。「検討事項」としていた体験搭乗も実施される予定です。オスプレイの整備拠点は、昨年度は青森県の米軍三沢基地でしたが、今年は陸自の帯広駐屯地(帯広市)に移されます。
さらに、新たに矢臼別演習場がオスプレイの訓練予定地に加わり、昨年計画された北海道大演習場と上富良野演習場と合わせて3カ所に拡大されます。
全国と連帯し中止めざす 紙智子参院議員
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昨年8月にも、畠山和也前衆議院議員とともに防衛省に対し、オスプレイの墜落事故の原因究明もされないまま訓練や訓練強化、軍事基地化は認められないと抗議しました。その反省もなく、訓練を強行することは許されません。
これまで「沖縄の負担軽減」を理由に訓練を行ってきましたが、防衛省の資料で、まさに米軍との共同訓練の強化を狙っていることが明らかになりました。しかも、訓練は昨年よりも大幅に拡大され、オスプレイの整備拠点を帯広駐屯地にするとしています。すでに「北朝鮮脅威」の根拠も崩れました。全国のたたかいと連帯し共闘を強め訓練中止に追い込みたい。