2018年8月9日(木)
猛暑受け電気料金値下げ
韓国政府「冷房使用 基本的な福祉」
韓国で「暴炎」といわれる猛暑が続いていることを受け、政府は7日、7、8月の住宅用電気料金を引き下げると発表しました。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6日に開いた首席補佐官会議で、「冷房の使用は国民の健康、生命と直結する基本的な福祉」と言明し、「電気料金を心配して冷房機器を使うことができないということがないよう対策を立ててほしい」と指示していました。(栗原千鶴)
韓国は、使用電力量が増えると、単価が高くなる累進性です。1キロワット時の単価が93・3ウォン(約9円)の範囲をこれまでの200キロワット時以下から300キロワット時以下に、187・9ウォンだった範囲を、201~400キロワット時だったものを301~500キロワット時までに緩和しました。
産業通商支援省は今回の措置により生じる引き下げ総額は2761億ウォンで、世帯平均19・5%の負担軽減になると試算。1512万世帯で平均1万ウォンの引き下げを期待しています。
また累進性の緩和とは別に、これまで社会的配慮を要する階層とされてきた人たちに対して行われてきた支援も拡充。障害者がいる世帯や生活保護世帯への援助額は、月2万ウォンから2万6千ウォンに引き上げます。また子育て世帯には出産から1年間、月1万6千ウォンの支援がされていましたが、支援期間が3年に拡大します。
気象庁によると今月1日、韓国北東部の江原道洪川で、同国観測史上最高の41・0度を記録しました。同日、首都ソウル市でも史上最高の39・6度となるなど、熱中症に注意を呼び掛けていました。文政権は今回の猛暑を「特別災難」と位置付けています。