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2018年7月29日(日)

BRICS(新興5カ国)首脳会議閉幕

「多国間貿易の強化を」

米国第一主義に対抗

 【北京=釘丸晶】南アフリカのヨハネスブルクで開かれていた第10回BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アの新興5カ国)首脳会議が27日、トランプ米大統領の「米国第一主義」に対抗する「多国間主義」を強調し、朝鮮半島の最近の非核化と平和に向けた進展を評価する「ヨハネスブルク宣言」を採択し、閉幕しました。


 26日に採択した同宣言は、「われわれは世界の平和と安定に関与し、国連の中心的役割を支持する」と表明。国際法や国連憲章の目的や原則の尊重を訴えています。そして自国さえ良ければいいというトランプ米大統領の「米国第一主義」を念頭に、「どの国も他国の安全保障を犠牲にして自国の安全を強化するべきではない」と強調しました。

 宣言は、トランプ米政権がこれまで離脱を表明してきた、気候変動にかんする「パリ協定」やイランの核開発にかんする「イラン核合意」の積極的意義についても評価しました。

 パリ協定については、「建設的に作業を継続する意志を表明」し、イラン核合意問題では、「(米国を含む)すべての署名国にその義務を順守することをもとめる」として、「合意の全面的履行」を呼びかけました。

 朝鮮半島情勢については「半島の完全非核化を実現し、北東アジアの平和と安定を維持するための最近の進展を歓迎する」とのべ、「平和的、外交的、政治的手段を通じた半島問題の解決に力を尽くす」と表明しました。

 宣言はまた、「多国間貿易体制を強化するために努力を尽くす」と表明。保護主義的な政策で中国など各国との貿易摩擦を強めるトランプ米政権をけん制しました。宣言は「多国間貿易体制はいまだかつてない挑戦に直面している」として、「開放型世界経済を建設する重要性」を強調。それによって「すべての国家と民衆が経済グローバル化の利益を分かち合う」とのべました。

 次回の首脳会議は来年、ブラジルで開かれます。


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