2018年7月14日(土)
観光と経済の土台破壊
参院委 カジノ法案で参考人強調
大門議員質問
カジノ実施法案を審議している参院内閣委員会は13日、参考人質疑を行いました。桜田照雄阪南大学教授、鳥畑与一静岡大学教授、佐々木一彰東洋大学准教授の3氏が意見陳述し、日本共産党からは大門実紀史議員が質問に立ちました。
桜田氏は意見陳述で、「他人の不幸のうえにわが身の幸福を築くカジノの開設は日本の観光文化を、そして日本の経済社会の土台を毀損(きそん)してしまう」と強調。「十分な審議なしに成立した法律が国民の損害を生み出すことがあってはならない」と慎重審議を求めました。
鳥畑氏は、同法案が多くの事項を政省令に委ねるなど不透明なものになっているのは「カジノ事業者に大きな自由を委ねるもので、法案の本質は『カジノ支援法案』だ」と指摘。「カジノの成功は日本の家計金融資産の『収奪』の成功を意味し、日本人の不幸の裏返しだ」とのべました。
日本のカジノ客の構成についての質問に、佐々木氏は「日本人客の方がはるかに多い」と答えました。
カジノ事業者が賭博資金を客に貸し付けることについて、桜田氏は「貸金の取り立てが反社会的勢力の仕事場になりかねない。背筋の寒くなるような話だ」と発言。カジノ推進の立場で質問した公明党の熊野正士議員は「やはり強い規制をやらなければならない」と応じました。
大門氏が、大阪でカジノと万博誘致が一体に進んでいることについてたずね、桜田氏は「カジノ万博はとんでもない話だと考えている」とのべました。