2018年7月2日(月)
全米で「家族を一緒に」
700カ所超 移民分離政策に抗議
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【ワシントン=池田晋】全米各地の都市で6月30日、メキシコ国境から入国した親子を引き離すトランプ政権の移民「不寛容」政策に抗議するデモが行われました。デモは全米50州の700カ所以上で取り組まれ、数十万人が参加。「親子分離は非人道的だ」などと抗議の声をあげました。
トランプ政権が4月に「不法入国者」の刑事責任を問う「不寛容」政策を導入して以来、これに抗議するデモとしては最大規模です。国民の怒りを受け、トランプ大統領は親子の引き離しをやめ、同一施設に収容する大統領令を出しましたが、米メディアによると依然として2000人以上の子どもが親と再会していません。
首都ワシントンのホワイトハウス前の広場には、主催者によると3万人が集結。猛暑の中、「家族を一緒に」「隣人を愛そう」などのプラカードを掲げた参加者で埋まり、政権に対して「恥を知れ!」「選挙で落とせ」と繰り返しコールが起きました。
ボスニア・ヘルツェゴビナからの移民の妻ラリーサさん(34)と生後10カ月の娘と一緒に参加したキャントレル・バーリーさん(31)は「親子引き離しは最悪の政策。私の娘も移民の子だから参加した。あまりに無慈悲だ」と語りました。
「不寛容」政策 トランプ米政権が4月に発表した新たな移民政策。必要な書類を持たずに米国に入国した人を例外なく犯罪者扱いし、刑事訴追できるようにしました。親子の場合、親の訴追に伴い子どもは引き離され施設などに収容されます。国内外から批判が噴出し、トランプ氏は、親子引き離しの措置は中止する大統領令(6月20日)を出しましたが、「不寛容」政策そのものは継続しています。