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日本共産党

2018年6月26日(火)

プルトニウム保有に上限

米の懸念念頭 平和利用に限界

 日本政府の原子力委員会は、7月16日に満期を迎え自動延長される日米原子力協定にかかわり、原爆の材料となるプルトニウムの保有量に、新しく上限を設ける方針を近く発表する見通しです。

 現在の国内外の保有量は、原発6千発分に相当する約47トン。米議会や政府関係者らの強い懸念を念頭においた動きですが、既存の枠組みでの対処にすぎず、専門家やメディアからは原子力政策の抜本見直しを求める声がすでに上がっています。

 河野太郎外相は、同協定が今後も持続するよう外交努力をつづけるとした上で、「利用目的のないプルトニウムはもたないことが原則」「しっかりと対応したい」(21日)と強調しました。

 今回の方針では、電力会社間の連携・協力をうながし、プルトニウムを既存の原発で燃やす「プルサーマル」実施の際には、政府が必要な使用済み核燃料の量を決めて再処理実施を認可するなどの内容も盛り込むとみられます。

 抜本的な削減を目指すならば、政府が電力会社に義務づけている、使用済み核燃料をすべて再処理してプルトニウムを取り出す「全量再処理」や、プルトニウムを原発の燃料として使用する「核燃料サイクル」からの撤退が必要です。

 非核保有国で、原発の核燃料の再処理を認めているのは日本だけです。発電などの「平和利用」に使う前提で、日米原子力協定を根拠にこうした政策が可能となっています。

 7年が経過した福島原発事故は現在も収束していません。国民多数も再稼働や「核燃料サイクル」に反対を掲げるもとで、原発という核の「平和利用」は限界に達しています。


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