しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年6月23日(土)

2018焦点・論点

男女共同参画 私はこう考える

赤松 良子さん 赤松政経塾主宰・元文部大臣

本当に女性と憲法が輝く時代を

 国会議員や地方議員の選挙での男女の候補者数ができる限り同数となることを目指す「政治分野における男女共同参画推進法」が全会一致で成立しました。一方、財務省の事務次官のセクハラ事件など、社会や政治がセクハラ問題と、どう向き合うのか問われています。女性議員を増やす活動をしてきた赤松政経塾主宰で元文部大臣の赤松良子さんに聞きました。(武田恵子)


写真

(写真)あかまつ・りょうこ 1929年大阪市生まれ。日本ユニセフ協会会長。元文部大臣(93年~94年、細川・羽田内閣)。WINWIN代表。国連日本代表部公使として「女性差別撤廃条約」に賛成投票(79年)。
撮影・山城屋龍一

 女性の地位をはかる世界の統計が発表されるといつも恥ずかしい思いをします。なかでも、国会や地方議会での女性の割合は最低クラスです。日本の女性は、健康で教育も受け、よく働いているにもかかわらず、政治の分野で低く、女性の地位全体の足をひっぱっています。

 私たちは、政治の世界に女性を増やそうと運動を進めてきました。全会一致で可決成立した「政治分野における男女共同参画推進法」は、理念法ですが、私たちが、この法律を背負って各党に「お宅の政党、もっと女性議員を増やしてください」と迫っていく力になります。

 選挙制度を改善して、女性が立候補しやすい環境をつくることが大切です。高い供託金や死票が多い小選挙区制を改めなかったら女性議員は増えません。中選挙区や比例代表にすれば女性議員は増えますよ。

 選挙制度を議論するのも国会です。その国会で議員の男女比は9対1です(衆議院)。多くの議席をもつ自民党は女性議員が7%ほどで全体を抑える役割を果たしています。共産党は女性議員が3割近くでバランスがとれています。5割を目指してこれからもがんばってほしいですね。

 麻生財務大臣が「セクハラ罪という罪はない」と発言しました。けれども、『六法全書』を見てください。男女雇用機会均等法11条とそれにもとづく「セクハラ指針」が載っていますよ。「職場において行われる性的な言動」は「職場におけるセクシュアルハラスメント」で、どういう行為がセクハラに当たるのかが詳細に書いてあります。法令はあるんです。周りも周りですよ。財務大臣に『六法全書』をつきつけるような人はいなかったのでしょうか。

写真

(写真)セクハラや性差別に声をあげる人々(写真は4月リ日、東京・新宿の「私は黙らない」のイベント) 撮影・林行博

 15歳で終戦を迎えました。戦前、戦争はいやだという自由はありませんでした。空襲で家を丸焼けにされても文句一つ言えなかったんです。軍人を強くして“いい兵器”をもたせる、その次はその兵器を使いたくなる。そういう流れを、戦前、いやというほど体験してきました。日本を二度とそんな時代にしたくはありません。

 戦後、女性参政権への道が開かれ、1946年4月の総選挙で39人の女性議員が誕生したとき、「女性が輝く」世の中になったと思いました。この記録は2005年(43人)まで破られることはありませんでした。いま政治分野の男女共同参画推進法を生かして、本当に女性が輝く時代を、そして、憲法が輝く時代をつくっていきましょう。


pageup