2018年6月19日(火)
さいたま市の上告、事後承認
九条俳句裁判で市議会委
共産党反対
さいたま市大宮区の三橋公民館で起きた、憲法9条を題材に詠んだ俳句の公民館だよりへの不掲載をめぐる「九条俳句裁判」で、市議会文教委員会は18日、市側が最高裁に上告したことの事後承認を求める専決処分議案を賛成多数で承認しました。自民党(1人は退席)、自民党真政、公明党、立憲・国民・無所属の会が賛成し、日本共産党は反対しました。
同館俳句サークル会員の女性が詠んだのは「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句。女性は市に俳句掲載を求めて裁判を起こし、さいたま地裁が昨年10月、東京高裁が今年5月、ともに「俳句不掲載は違法」との判決を出していました。原告側も最高裁に上告しています。
専決処分議案に対し、共産党の守谷千津子委員が反対討論しました。守谷氏は、清水勇人市長が、さいたま地裁と東京高裁から「俳句不掲載は違法」との判決を受けながら上告という重大な判断を議会の議決・決定を経ない専決処分で行ったことを批判。「作者は教育委員会との話し合いを強く望んでいる。市や教育委員会は作者の思いに寄り添い、上告の取り下げも含めて、問題解決にあたるべきだ」と主張しました。
委員会を傍聴していた、裁判を支援する「『九条俳句』市民応援団」の武内暁代表は「私たちはずっと現場の話し合いでの解決を求めてきたのに、こういう形で採決がされてしまったことは残念。本会議での採決が行われるまで、各会派に要望するなどギリギリまで頑張りたい」と話しました。