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2018年6月14日(木)

G7のジェンダー宣言

日本政府とりくみ「0」評価

カナダの団体が報告書

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(写真)「G7リサーチグループ」の調査員たち=9日、ケベックシティー(吉本博美撮影)

 【ケベックシティー(カナダ東部)=吉本博美】カナダ・シャルルボワで8~9日に開かれた主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、同国の調査団体「G7リサーチグループ」が、「ジェンダー平等は人権実現の基本」と強調した昨年G7のタオルミナ(イタリア)宣言の各国の達成度を示した報告書を発表しました。それによると日本政府の「ジェンダー平等」に関する取り組みは「0」評価でした。

 調査員のジュリア・トップスさんは「日本はジェンダーに関して独特な文化や慣習があることも要因かと思います。全体として遅れている」といいます。

 タオルミナ宣言は、女性が差別や暴力を受けやすく、低賃金で、教育機会が欠如していると指摘。同時採択した「ジェンダーに配慮した経済環境のためのG7ロードマップ」と合わせ具体策を講じるよう合意しました。

 「G7リサーチグループ」は、女性対象の「人身売買・搾取」「民間部門の進出」「年齢や障害、宗教などによる差別」の3項目別に各国を審査。取り組みが部分的な場合は「0」となります。全項目で「0」評価は日本と米伊。英独仏加とEU(欧州連合)の平均評価は「2・2」でした。

 シャルルボワ・サミットでは、約38億加ドル(約3200億円)をかけて途上国の女性・女児の教育支援や機会均等のプロジェクトを提唱しました。英独加とEU、世界銀行が協力を明言。日本も賛同し、約200億円の資金拠出を表明しました。

 今サミットのために特別に設立された、国連職員やノーベル賞受賞者らで構成する「ジェンダー平等諮問委員会」は「家父長的な社会構造が女性の身体と選択肢を支配している。権力構造の改革を」と提起しています。

 一方、サミットと同日にジュネーブで開かれた国際労働機関(ILO)総会は、職場でのセクハラを含むハラスメントをなくすための条約制定を目指す委員会報告を採択しましたが、日本は「勧告が望ましい」と消極姿勢をみせました。

 調査員のジヒョン・ハンさんは「いま、世界が女性の地位向上とジェンダー平等のために真摯(しんし)に動いています。日本にも期待しています」と語りました。


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