2018年6月7日(木)
言論表現の自由こそ
「放送制度改革」で
新聞協会・民放連コメント
政府の規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大教授)が4日まとめた第3次答申では、焦点だった番組の政治的公平性などを定めた放送法4条の撤廃が見送られました。しかし、安倍晋三首相の意向で始まっただけに、今後も首相サイドの対応を注視し続ける必要があるとの声も出ています。
日本新聞協会メディア開発委員会は4日、答申内容について、斎藤仁志委員長名のコメントを発表しました。
コメントは、規制改革推進会議の議論について、「放送事業者が放送法にのっとり果たしてきた『表現の自由の確保』『健全な民主主義の発達』を支える役割や、放送法の根幹をなす『多元性・多様性・地域性』の原則、NHKとの二元体制の下での民放の自主・自律の重要性を再確認するよう訴えてきた」と主張。そのうえで、答申を受けた今後の具体策の検討について、「(こうした)見解とは異なる方向性や結論が導かれる危惧(きぐ)を否定できない」として、「産業政策的な視点に偏り国民・視聴者の利益が損なわれることがないよう、言論・表現の自由を尊重した、より慎重な議論が行われること」を求めています。
一方、日本民間放送連盟(民放連)は、「放送の公共的役割を尊重する取りまとめになった」とのコメントを発表。答申に盛られた「ローカル局の経営基盤の在り方」などについて、「民放事業者に不合理な制約を課すことになれば、国民・視聴者が現に享受している放送サービスの低下を招きかねない」として、今後の行政の検討について「国民各層、専門家や関係事業者の意見を十分に聴取して、慎重に議論を行うよう」要望しています。