しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年5月17日(木)

GDP年0.6%減

アベノミクス害悪示す

 実質成長率0・2%減(年率0・6%減)となった2018年1~3月期の国内総生産(GDP)は安倍晋三政権が進めてきた経済政策「アベノミクス」の害悪を改めて示すものとなりました。

 安倍政権発足直後となる13年1~3月期と比べると実質GDPは503兆9361億円から533兆799億円と5年かけて6%程度の増加でした。GDPの6割を占める個人消費は同じ期間にわずか1%増。消費低迷が経済成長を妨げていることは明らかです。

 個人消費が低迷する最大の要因は、14年4月に安倍政権が強行した消費税率の引き上げです。明らかな失政が招いた経済停滞です。

 安倍首相は1月の施政方針演説で「民需主導の力強い経済成長が実現し、デフレ脱却への道筋を確実に進んでいる」と胸を張りました。しかし日本の経済成長率は国際的には最低レベルです。主要7カ国(G7)の17年の実質GDP成長率を比べると、カナダの前年比3%増をはじめドイツ同2・5%増、米国同2・3%増など軒並み日本を上回ります。

 国民の収入などを示す雇用者報酬は5年間に5%の増加でした。しかし雇用者数はこの5年間で211万人の増加。雇用者が増えれば雇用者報酬も増えるのは当然です。しかもそのうち95万人は賃金が低く、雇用も不安定な非正規雇用です。

 家計の実収入から社会保険料と直接税を除いた可処分所得はこの5年間で1世帯あたり実質3%減少しました(2人以上の世帯のうち勤労者世帯)。家計の判断で使えるとされる金額が月額1万5000円程度失われたことになります。

 この5年間で伸びたのは、2割増えた企業の設備投資と3割増となった輸出額です。国民生活の苦境と裏腹に、アベノミクスの「異次元の金融緩和」による円安加速で輸出大企業を中心に業績が好調になったことを反映しています。しかし、輸出は前期比でプラスマイナスを繰り返すなど不安定です。(清水渡)


pageup