しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月17日(木)

「働き方」法案 採決するな

“地獄の苦しみ誰にもさせぬ”

過労死遺族・弁護士ら会見

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(写真)記者会見する遺族と弁護士ら=16日、厚労省

 政府与党が、来週にも「働き方改革」一括法案の衆院採決強行をねらうもとで16日、全国過労死を考える家族の会、日本労働弁護団、過労死弁護団全国連絡会議が厚生労働省で会見し、「法案の強行採決に断固反対する」と表明。3団体連名で緊急共同声明「労働時間規制を破壊し働かせ放題の『高プロ』導入に反対する」を発表しました。

 会見には、全国過労死を考える家族の会の遺族ら11人が喪服に身を包み、遺影を抱えて出席。過労死したNHK記者、佐戸未和さんの母親・恵美子さんは、喪服について「亡くなった娘の無念の気持ち、残された遺族の悲しみです」と述べ、「何度でもいいます。人が死んでからでは遅いのです」と訴えました。

 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は、「働き過ぎで家族を亡くす地獄のような苦しみを味わってきました。この苦しみを誰にもさせたくない」として、「残業代ゼロ制度」である高度プロフェッショナル制度(高プロ)について「確実に過労死が増える制度です。これ以上、死人をつくらないでください。苦しむ家族を増やさないでください」と訴えました。安倍首相に面会を申し入れたことも明らかにしました。

 東京過労死を考える家族の会の中原のり子代表は、小児科医で過労自死した夫の働き方にふれ、「高プロのような働かせ方で死んでいる人がいます。労働者の未来を奪う働かせ方です」と告発しました。

 日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎幹事長は、高プロは「週40時間、1日8時間とした労働基準法の規制に大きな風穴をあけるものだ」と批判。過労死弁護団全国連絡会議の川人博幹事長は、裁量労働制を適用された28歳の男性労働者の過労死が労災認定されたことを紹介。「高プロには、裁量制にあるわずかな規制もない。高プロの導入はあってはならない」と強調しました。


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