2018年5月16日(水)
安保理 緊急会合へ
国連事務総長「深い危機感」
【ワシントン=池田晋】在イスラエル米大使館のエルサレム移転に対しパレスチナ自治区ガザでの抗議行動に多数の死傷者が出ていることを受け、国連安全保障理事会は15日午前(日本時間同日深夜)、緊急会合を開きます。非常任理事国のクウェートが14日、安保理議長国のポーランドに要請しました。
ロイター通信によると、クウェートは「パレスチナ市民の殺害に怒りと悲しみ」を表明し、独立調査を求める安保理声明も模索したものの、米国の妨害によって発表には至りませんでした。
国連のグテレス事務総長は14日、ガザで死傷者が続出していることについて「深い危機感」を、報道官を通した声明で発表しました。
グテレス氏は、イスラエル軍のデモ隊に対する銃撃によって被害が拡大していることを念頭に、同軍に対し「最大限の自制」を要求。進行中の衝突は政治的解決の緊急性を改めて示すものだとし、パレスチナとイスラエルがエルサレムで平和裏に共存する「2国家解決に代わる実現可能な選択肢はない」と強調しました。