2018年5月5日(土)
独大統領“マルクスは現代に通じる”
きょう生誕200年 多面的業績語る
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【ベルリン=伊藤寿庸】ドイツのシュタインマイヤー大統領は3日、ベルリンで、同国出身の思想家・革命家カール・マルクス生誕200年に当たり、マルクスの多面的な業績や現代的な意義について触れる講演を行いました。
同大統領は、マルクスが「熱烈な人道主義、出版の自由、人間的な労働条件、8時間労働、女性の役割の評価、環境保護」に取り組んだと指摘。現代のグローバル化を予言し、“労働者と機械の競争”などの分析は、現代の労働者が直面するAI(人工知能)、ロボットなどの問題に通じると述べました。
マルクスが、経済学者、哲学者、歴史学者、社会学者だっただけでなく、ジャーナリスト、労働運動の指導者、教育者でもあり、政治的迫害を受けた人、亡命者でもあると指摘。マルクスが「ドイツの思想家」であっただけでなく、国際主義を体現していたと強調しました。
ドイツでは有力週刊誌紙が、マルクス特集の別冊を相次いで発行。マルクスの生地トリーアでは誕生日の5日、生家を博物館にした「カール・マルクス・ハウス」が改装を経て再び公開されます。
左翼党系のローザ・ルクセンブルク財団はベルリンで「マルクス生誕200年 政治・理論・社会主義」と題する国際会議を2日から5日間にわたって開催し、若い学生などが多く参加しています。