2018年4月22日(日)
イラク派兵日報 自衛官駐在 バスラに砲撃
「非戦闘地域」の虚構浮き彫り
「我々は戦場にいる…」「あとは運次第」
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防衛省が16日に公表した陸上自衛隊イラク派兵の日報で、自衛隊連絡官が駐在していたイラク南東部バスラの多国籍軍司令部が連日、激しい砲撃にさらされていたことが記録されていました。イラク派兵の要件である「非戦闘地域」の虚構ぶりがいっそう浮き彫りになりました。
バスラでは武装勢力から迫撃砲やロケット、IED(即席爆発装置)などの激しい攻撃を受け、多国籍軍の多数の兵士が死亡。隊員は2006年2月2日付の日報に「やはり我々は戦場にいることを認識することが必要だ」と記しています。
特に06年以降は司令部や居住区の至近距離への攻撃が激化。3月14日の日報には「2月22日のロケット攻撃は、あと6度南にずれていたら居住区内に弾着していた」と記載。正規の発射機よりも4倍程誤差がある即製発射機が使われていたと記し、「一歩間違っていたらという感はぬぐえない」と述べています。
4月14日には、13日の曲射(IDF)攻撃に使われたロケット弾の残骸の写真を掲載。基地内に2発が弾着し「直径1メートル程の穴が開いていた」(4月12日)ことをふまえ、「アスファルト道に一昨日の写真のような穴が開くわけだから、居住区の薄い屋根では役には立たない」と記述。6月30日には「居住区は耐弾化されておらず、あとは運次第と思って過ごしてきた」と記しています。
「至近200メートル、屋根に破片が当たる音」(6月12日)、司令部南側150メートル、IDF攻撃2発(6月25日)、弾種不明3発、司令部北側300メートル、南側1キロ及び1・5キロ(6月26日)など間一髪の状況が続きます。
06年5月6日には、イギリス軍のヘリコプターが、サドル(イスラム教シーア派指導者)派民兵の携帯地対空ミサイルの射撃を受けてバスラ市街地に墜落し、乗員5人が死亡。墜落現場付近に群衆が集まり「ヘリの墜落を喜ぶ」、「投石、火炎瓶の投擲(とうてき)」など、多国籍軍が敵視されていたことがうかがえます(5月8日)。日報では「英軍」の部分は黒塗りでしたが、隊員の日誌に「英軍ヘリ墜落事案」と記載されていました。
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