2018年4月22日(日)
北朝鮮「核実験場を廃棄」
ICBM試射も中止 金委員長 国際社会と対話姿勢
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は20日、平壌で開かれた中央委員会総会で、21日から核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射を中止すると表明しました。核実験中止の透明性を保証するとして、北部核実験場の廃棄を言明。周辺国や国際社会との積極的な対話姿勢も示しました。朝鮮中央通信が21日、報じました。
金委員長は報告で、核兵器とミサイルの「完成」を誇ったうえで、「今やいかなる核実験、中・長距離や大陸間弾道ミサイル発射も必要なくなり、北部核実験場もその使命を終えた」と発言。過去6回すべての核実験で使用してきた豊渓里核実験場を廃棄するとしました。
また総会で採択された文書には、他国による核の挑発や威嚇がない限り、核兵器を使用しないと明記。第三国への核兵器と核技術を移転しないと明記しました。
金委員長は、2013年3月に打ち出した核開発と経済建設を同時に進める「並進路線」について、「国家核戦力の建設が完璧に達成され、貫徹された」と強調。「経済建設に集中する」とし、経済優先の新たな路線に転換する方針を明確にしました。
今回、北朝鮮は核実験の全面中止や、核兵器のない世界の建設に積極的に寄与するなどと表明しましたが、自らが保有する核兵器は安全の保障として、「非核化」には言及していません。一方で、周辺国や国際社会と「緊密な連携と対話を積極的に行う」としており、今後予定されている南北首脳会談、米朝首脳会談の開催を前に、非核化に関する協議には応じる姿勢を示した形です。
これを受け、トランプ米大統領はツイッターで20日、「大きな前進だ。(米朝)首脳会談が楽しみだ」と評価。中国、韓国、日本、ロシアも歓迎の意を表明しています。