2018年4月20日(金)
米大統領 米朝会談成功へ意欲
「新貿易協議」米に有利の危険
日米首脳会談
【パームビーチ=池田晋】トランプ米大統領は18日(日本時間19日)、日米首脳会談後の共同記者会見で、6月上旬までに開かれる米朝首脳会談について「可能な限り、全力を尽くして、世界的な成功へ努力する。米国、韓国、北朝鮮、日本にとってだけでなく、全世界のためにできる限りのことをする」と述べました。主要議題である「朝鮮半島の非核化」への道筋をつけることに強い意欲を示した発言です。
一方、「北朝鮮が非核化するまで、最大限の圧力政策は続ける」とも述べました。
トランプ氏は、「朝鮮半島全体が安全と繁栄、平和のうちに共存できる日が見られることを願う」と述べ、南北問題の平和的な解決を改めて支持。前日の17日には、南北首脳会談(27日)を念頭に、朝鮮戦争終結が議題となることに強い賛意を示しています。
日本人拉致問題をめぐっては「被害者を取り戻し、日本に帰国させるためできる限りのことをするつもりだ」と表明しました。
安倍晋三首相は「北朝鮮が正しい道を歩めば、日朝平壌宣言に基づき、不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくる」と述べ、日朝の直接対話に言及しました。
日本が米国に復帰を求めている環太平洋連携協定(TPP)について、トランプ氏は「戻りたくない」と述べる一方、「2国間の貿易協定をはるかに望む。日本とのじかの協定だ」と要求しました。日本側の説明によると、米側は会談の中で日米の自由貿易協定(FTA)に直接言及。トランプ氏もFTAを念頭に置いているとみられます。
両首脳は「自由で公正、互恵的な貿易取引」に向けた協議(通称・FFR)を新たに開始することで合意しました。トランプ氏は会談で「われわれは巨大な対日貿易赤字を抱えている。それを減らし、近いうちに釣り合いがとれることを望む」と対日貿易の改善に強い意欲を表明。「互恵的な取引」との名目で、米国により有利な経済関係を求める姿勢を示しました。
安倍首相は「TPPが日米にとって最善と考え、その立場で議論に臨む」と述べ、米国にTPP復帰を求める考えを示しました。