2018年4月17日(火)
シリア攻撃 “国連の看板もない”
中東識者が米英仏を批判
【カイロ=小玉純一】シリアのアサド政権に対する米英仏の攻撃について、中東の識者が批判しています。
シリアの隣国イラクの首都バグダッドにあるアル・ナハライン大学のヤシン・バクリ教授は本紙の取材に、「アサド政権が化学兵器を使った証拠を、米国は示していないし、攻撃には国連の看板も無い」と指摘しました。
教授は「米国は『イラクが大量破壊兵器を持っている』と言って2003年にイラクに侵攻し、今度は『化学兵器を使った』と言ってシリアを攻撃した。イラクの人々は、とてもつらい気持ちだ」と話しました。
アラブ連盟の事務局長をかつて務めたアムル・ムーサ氏はエジプト紙に、「事前にロシアに知らせて衝突を避け」「ツイッターで攻撃を約束したトランプ氏の面目を保った」と話しました。
米国のハンツマン駐ロシア大使は「行動の前に、ロシア人を危うくしないためにロシアに連絡した」と明らかにしています。アサド政権を支えるロシアは反撃しませんでした。ロシアはシリアのロシア軍基地に部隊を駐留させています。