2018年4月15日(日)
米英仏、シリア攻撃
【ワシントン=遠藤誠二】米英仏3カ国は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとしてシリア時間14日未明、首都ダマスカス近郊などの化学兵器関連施設を攻撃しました。巡航ミサイル「トマホーク」が発射されたもようです。トランプ米大統領は米東部時間13日午後9時ごろ、シリアに軍事攻撃を行うよう、米軍に指示したと発表しました。
今回の攻撃は、国連決議も、米国議会の承認もないもとで強行されました。マティス米国防長官は同日、シリアが化学兵器を使用したことを「確信している」と述べましたが、国際社会が確認したわけではありません。
トランプ氏は13日夜ホワイトハウスで声明を読み上げ、「われわれの行動の目的は化学兵器の生産、拡散、使用に対する強力な抑止の確立だ」と攻撃を正当化。「シリアが化学物質の使用を中止するまでこの対応を維持する」と述べ、今後も軍事攻撃をする可能性を示唆しました。また「犯罪的なアサド政権を支持している」と、ロシア、イランを名指しで批判しました。
米国防総省によると標的となったのは化学兵器研究開発施設や化学兵器貯蔵施設など3カ所。シリア国営テレビは発射されたミサイルを13発、撃ち落としたと発表しました。
シリア内戦をめぐっては、アサド政府軍が7日に、反政府組織が支配している首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマを空爆。この攻撃で、化学兵器が使用された疑惑がもたれ、米国や欧州諸国は一斉に非難していました。シリアはこれを否定し、ロシアは「証拠がない」と反論していました。